服部財団

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同じ志を持つ仲間と出会えたこと。刺激し合えたこと。
澤田 樹里
サワダ ジュリ
第14期服部奨学生
三重大学大学院医学系研究科 博士前期課程 看護学専攻
(現所属:東京科学大学大学院 保健衛生学研究科 看護先進科学専攻 在宅・緩和ケア看護学分野 博士課程)
山本 吉祥
ヤマモト キッショウ
第13期服部奨学生
名古屋大学医学部
医学科
森本 遥香
モリモト ハルカ
第12期服部奨学生
名古屋市立大学大学院薬学研究科
博士前期課程 創薬生命科学専攻
PAMELA CHUA CHEE TENG
パメラ チュア チー テン
第13期服部奨学生
岐阜大学医学部
医学科(現所属:中部国際医療センター)
※所属は撮影時のもの

目次

服部財団を知ったきっかけ、応募した理由を教えてください。

澤田
私は大学卒業後、三年間看護師として働いたのちに、再び大学へ進学したのですが、働いていたときの貯金だけでは学費の捻出が厳しかったので、奨学金を探し始めました。 看護分野でいただける奨学金は結構少ないのですが、服部国際奨学財団は分野関係なく対象としていたので、応募することができました。

山本
私の場合、数年浪人していたこともあり、奨学金を探していても年齢条件で対象外となるものばかりで、応募すら難しい状況でした。そんななかで、服部奨学金は年齢条件が広く、私の年齢でも応募可能だったので、本当にありがたかったです。 採用いただけたことで、フィリピンへの語学留学や、タイの病院での短期インターン、北京大学への短期留学など、積極的に海外へ行って視野を広げることができました。

森本
高校3年生のときに、父が給付型奨学金について調べてくれて、服部奨学金を知りました。そのタイミングで一度応募したのですが、その時は選考に落ちてしまいました。 今振り返ってみると、当時は奨学金の必要性を自分の中で理解できておらず、明確な目標や使途を説明できなかったことが、採用に至らなかった原因だと思います。

大学2年生になった時、コロナ禍で増えた時間を有効活用したいと考え、他の学生よりも早い時期から研究室に通いはじめました。当時は実家から大学に通っていましたが、日々の通学時間が非常に勿体なく感じて、大学に近いところで一人暮らしをして、もっと研究に時間を使いたいと考えるようになりました。そこで、奨学金について自分で調べてみて、服部奨学金への再応募を決意しました。 この時は「もっと研究のための時間を作りたい」という強い想いがあったので、面接選考でも100%の力を出し切ることができたと思います。

PAMELA
もともと医師になることを目標にしていたのですが、出身国のマレーシアでは医学部の授業料が非常に高額でした。一方、日本の場合、他国と比べても国立大学であれば授業料が安く、高度な教育を受けて医師になることができると思い、留学を決意しました。
日本に来てからはアルバイトを続けながら生活費を賄っていましたが、大学4年次から始まる病院実習を考えると継続が厳しく、そもそも勉強に割くことができる時間が圧迫されていたこともあり、奨学金を探し始めました。そのなかでも服部財団は、ホームページやSNSを見ると分かるように、奨学生同士の交流が多い点がとても魅力的でした。いろんな人と出会いながら、一緒に成長していけるような環境に身をおくことが理想だったので、自分にぴったりだと思って応募しました。

服部財団には、研修旅行や文化講演会などの公式行事、勉強会やセミナー、さらには服部奨学生が主体となって開催するイベントなど、奨学生・OBOGとの交流機会が多くあります。こうした行事・イベントでの交流について教えてください。

澤田
私は過去に一度、研究発表会に運営スタッフの1人として参加し、司会を担当しました。 自分の専門分野とは全く異なる方々が続々研究発表されるので、あらかじめ研究内容について勉強して、進行や質疑応答をどう進めていくかを、スタッフ同士で打ち合わせしながら進めました。 そのとき一緒に運営した服部奨学生とはすごく仲良くなれたし、共に達成感を味わうことができて、とても思い出に残っています。今でもイベントや行事で再会したら仲良く話ができるし、気軽に連絡し合える。服部財団で、新しい交友関係がどんどん広がっています。

森本
服部財団のイベントはどれも魅力的な内容で、大学では経験しないような貴重な経験を得ることができますよね。

山本
以前、医学・薬学部生向けのイベントもありました。

森本
医学部・薬学部生向けの就活セミナー(2022年9月8日、服部財団事務局ホールにてハイブリッド型で開催。参加者20名)ですね。 医療系・薬学系で活躍されているOBOGの方々から、実際の仕事や就職活動について生の声を聞くことができ、とても参考になりましたし、本当に貴重な機会でした。

山本
服部奨学生や、OBOGの先輩方は、優れた能力や才能を持っている方々ばかりです。そんな方々とたくさん話してみたい!という気持ちが、私にとってはイベントに参加する一番のモチベーションになってます。

森本
イベントに参加して服部奨学生と交流することで、大学で同級生と話すだけでは触れることのない価値観や文化を知ることができ、どんどん自分の世界が広がっていく感覚があります。

澤田
私にとって、いろいろな分野の方々と話すことができたのは、自分の研究の視野を広げていくきっかけになり、同時に「研究職とは?」という問いを自分なりに深掘りする機会にもなりました。 私は昨年秋から約4ヶ月間、研究分野の知見を深めるために、ドイツのフライブルクカトリック大学に留学していたのですが、それは服部財団での国籍を超えた交流を通して、視野が広がったことが原動力でした。

PAMELA
今日、ここにいる私たちだって、通っている大学も違いますし、服部奨学金というつながりがなければ、きっと出会えなかったですよね。 こうして巡り会えて、話し合えるのは本当に嬉しいことです。それも一回限りではなく、繰り返し顔をあわせて話す機会があるからこそ、仲を深め、知識や視野を広げることができるのだと思います。

服部奨学金があったから実現できたことはありますか?

澤田
私はやはり、先ほどお話ししたドイツへの留学ですね。服部奨学金をいただいてなかったら、決断できなかったと思います。

山本
私は、国内外の病院見学や学会への参加ですね。

森本
私も服部奨学金のおかげで、いろいろな学会に出ることができました。私の研究室では、学会への参加にかかる費用はほとんどが自費負担になります。遠方で開催される学会も多いので、経済的に結構な負担になるんですよね。

山本
本当にそうですよね。 私も常々、いろんな病院に見学に行ったり、興味のある分野の学会にできる限り参加したいと思っていますが、交通費や宿泊費などはもちろん自腹なので、そこを奨学金でサポートしていただけるおかげで、躊躇なくチャレンジできることはかなり大きいです。

森本
私の研究室では、学会の参加回数に上限があったり、私自身、経済的な理由で参加することができない学会もあったりします。でも、興味のある学会にはやはり足を運びたくて。 学会に参加して研究者と交流することで、視野を広げていろいろなことを学ぶことができると思います。

山本
学会での交流経験は、他で代えがたいものがありますからね。

森本
はい。 奨学金のおかげで、いろいろな学会に参加することができ、最優秀発表賞の受賞など結果を残すこともできました。

PAMELA
もし奨学金がなければ、とても苦しい日々を送っていたと思います。最初にもお話ししたように、医学部では4年生から実習が始まるので、そうすると平日のアルバイトはもう入れなくなってしまうんですよね。体力的にも精神的にも無理がありますし、何より時間が確保できないので。
服部奨学金をいただいていたおかげで、時間を有効に使って勉学や休息に充てつつ、集中して実習に取り組むことができました。医師になるという目標を実現できたのは、服部財団のおかげです。

最後に、今後の目標と展望について教えてください。

澤田
服部財団でのつながりがきっかけで「研究者として活躍したい」という思いが強くなりました。 地元である三重はもちろん、日本の医療・看護について深く理解し、その知識を世界で発信して、国際的に活躍できるような研究者になりたいと思っています。

山本
心臓外科医になりたいと思っています。 外科医になるためには、かなりの数の手術経験が必要になります。国内に限らず、海外でもたくさん経験を積んで、最終的には日本に戻って活躍する医師になりたいです。

PAMELA
私も、服部財団でたくさんの学生や研究者の方々にお会いして、もっと視野を広げて研究したいと思うようになりました。春からは中部国際医療センター(岐阜県美濃加茂市)で勤務しますが、まずは早く一人前になること、そしていつか実習生の後輩が来たときに、親身になって教えられるような存在になりたいと思っています。

森本
私は、製薬企業の研究職を目指しています。 自らの手で革新的な医薬品を生み出すことで、患者さんの人生をより良く、より長くしていきたいです。 研究職というのは、未解明な生命現象をどう解明していくか、仮説を立て、実験を通して真実を解明するという、その全てに自分で関わるところに魅力があります。 大学の研究活動を通して培った発想力を活かして、独自の着眼点からアイデアを出すことができる研究員になりたいと思います。 また、服部財団で様々な経験をさせていただき、奨学生の方々と交流を重ねる中で「グローバルな視野をもって活躍していきたい」という目標を持つようになりました。 世界中の患者さんにより良い選択肢を届けられる研究員になれるように、これからも研究を頑張っていきたいと思っています。

2024年1月収録

Cross Talk

Interview

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