服部財団

Cross Talk

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国籍も文化も、多様な人が集まり交わる、文化のプラットフォーム。
(第15期)
BRYNHILD MICKAIR ANAK SITIN(ブリンヒル ミカエ アナ シティン)
豊橋技術化学大学大学院工学研究科 博士前期課程
応用化学・生命工学専攻
(第14期)
UMNA ZAKY NABIH ZAHRAN(ヨメナ ザキ ナビフ ザハラン)
東京外国語大学国際社会学部
国際社会学科
(第15期)
AOKI FABIO RYUJI FUJITA(アオキ ファビオ リュウジ フジタ)
三重大学大学院工学研究科
電気電子工学専攻
※所属は撮影時のもの

目次

服部奨学金に応募したきっかけ

もともとマレーシア政府から月5万円の奨学金をもらっていたのですが、給付期間は大学4年間まででした。
大学院進学後はもらえなくなるので、別の奨学金を探していたとき、服部奨学金を見つけました。

私は留学したくて奨学金を探し始めました。でも、国籍の条件で応募できないものばかりだったんです。
諦めかけていた時に、服部財団にいる友達が「服部奨学金は国籍の条件がない」と教えてくれて、応募しました。

服部奨学金の場合、国籍の縛りがないのがいいですよね。私も1年生の頃は、大学で公開されている奨学金情報をかなりチェックしていて、そのほとんどに「日本国籍を有するもの」という条件がありました。
まず、スタートラインに立つまでに障壁がある。

本当にその通りです。
私もかなり探しましたが、条件に合って応募できたのは服部財団だけでした。
「やっと国籍の縛りがない奨学金を見つけた!」と本当に嬉しくて、すぐに応募しました。

みなさんはいつから日本に?

私は留学ではなく、両親の仕事の関係で、7歳のときからずっと日本にいます。
ですので、一番話せる言語は日本語なんです。

そうなんですね。 私はマレーシアでも田舎町の出身ですが、
成績優秀者としてマレーシア政府から奨学金をもらって、日本に留学したいという想いから日本語の勉強を始めました。

留学したいと思ったきっかけは何だったんですか?

もともと『ドラえもん』が大好きだったんです。
それが日本に興味を持ったきっかけですね。

『ドラえもん』がきっかけで日本へ留学!
おもしろいですね!

よく言われます!(笑)
『ドラえもん』って、ひみつ道具がいっぱい出てくるじゃないですか。
あの衝撃は、日本でエンジニアを目指すには十分すぎるものでしたね。

日本語はどれくらい勉強したんですか?

日本に留学する一年くらい前から勉強を始めました。
日本に来たばかりの頃は、読み書きはできても聞き取りができなかったのですが、
日本の友達はみんな優しくて、たくさん助けてもらいました。
服部奨学生も本当にみなさんいい方ばかりですし、日本に来てよかったなと改めて思います。

服部財団の行事やイベントで、印象に残っていること

私にとっては「服部奨学金授与式(2023年5月20日、名古屋マリオットアソシアホテルにて開催。参加者144名)」ですね。
採用された奨学生が最初に参加する公式行事です。
ランチはフレンチのコースをいただいて、夜は「ミッドラントスクエア」の屋上でバーベキューをしました。

授与式は最初の衝撃ですよね。

食事のテーブルに「本日のメニュー」が置かれていて、そこに自分の名前が書かれているなんて、人生で初めての体験でした。
こういう経験をたくさんさせていただくと、価値観が更新されますね。

私はずっとトルコのボアシチ大学に留学していたので、
最初の一年間はイベントに参加できなかったのですが、帰ってきてからは参加しています。

特に何が楽しかったですか?

京都の研修旅行(2023年8月29日。参加者30名)ですね。
最初は、たとえば京都といえば清水寺というような、いわゆる普通の旅行だろうなと思っていたんです。
でも、八ツ橋を作る体験ができたり、ランチは川床料理で、河原に張り出した桟敷で涼みながら豪華な食事をいただいたりと、
新しい世界を覗くことができて、本当に楽しかったです。貴重な経験になりました。

私は、宇宙飛行士の毛利衛さんの講演会(「服部国際奨学財団創立15周年記念講演会」。
2023年11月25日、名古屋マリオットアソシアホテルにて開催。参加者186名)がとくに印象深いです。
直接お話することもできて感激でした。奨学生たちのいろいろな質問にも答えてくださって、とても刺激をもらいました。

服部奨学金があったから叶ったこと、実現できたこと

やはり、奨学金のおかげで経済的な余裕ができたことは、とてもありがたいです。
学部入学当初から「絶対に大学院へ行きたい」と思っていて、
院生になったときに困らないように、アルバイトに励みながら貯金してきました。
今はアルバイトの時間を研究に充てることができています。

私も今はアルバイトをしていなくて、勉強や研究、就職活動に集中して取り組めています。
奨学金のおかげで経済的な余裕ができたのはもちろんですが、服部奨学生のみなさんとの出会いは、
私にとって、とてもかけがえのないものになりました。
ここで会える人たちは、みなさんすごい研究に取り組んでいる人ばかりで、いつもとてもいい刺激をいただいています。

私は外国語大学に在籍しているので、大学には文系の人しかいないんです。
そもそも理系の方と関わる機会がなかったのですが、服部財団ではいろんな分野の人に会えるのがとにかく嬉しいです。

そう!
大学で生活しているだけでは出会えない人に出会えるんですよね。

私も高専出身で、ずっと工学系の人たちとばかり関わっていたので、文系の友達ができたのはここが初めてです。

普通は自分の学部に関係ある人としか関わらないけど、服部には歴史研究をしてる人もいるし、医学系の人もいる。

奨学生のみなさんと話していると、自分自身の視野が広がりますし、「こんな研究もあるんだ!」と、いつもとても勉強になります。

しかも、その分野のプロフェッショナルばかりが集まっている。そんな人たちと会話できるのは、とてもいい経験になります。

服部奨学生には、留学生も日本人もいますし、留学生の中にもアフリカ、アジア、ヨーロッパと、
さまざまな国や地域から学生が集まっています。
日本人もいろんな地方から集まっているので、文化的な交流がすごく豊かだと思います。
話しているだけでも新しい発見があるというか、新しい世界に出会える感じがします。

それぞれバックグラウンドが違うので、誰と話していても、自分が知らない話を聞くことができる。そんな面白さがありますよね。

そうそう。

それが単純に楽しいというのもありますし、
あと、これは私だけかもしれませんが、外国人が多いとちょっと嬉しくなったりします。

それは、とてもわかります!

仲間感がありつつ、新しい文化や多様性にも出会える場所。
服部財団は、新しい自分の居場所ですね。

クロストーク終了後、今後の夢と展望について伺いました

やりたいことがたくさんあるのですが、最終的には経営者になりたいと思っています。
自分の考えや思想が投影される組織を持ってみたい。個人的には教育分野に一番興味があります。
私のバックグラウンドはITやAIなので、それも絡めて教育、特に幼児教育の分野で、社会貢献できる会社を立ち上げたいです。

私の夢は、生産設備の設計・管理を専門的に行う技術者、プラントエンジニアになることです。
日本でいろいろな経験を積んで、母国マレーシアと日本の橋渡しとなって活躍したいと思っています。

国際開発に興味があるので、将来的には国際機関で働きたいと思っています。
近年増加の一途を辿っている移民、特に難民の方々を助けたいからです。
私自身も移民なので、今度は自分がいろいろな知見や経験を積んで、困っている人たちの役に立ちたいです。

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