服部奨学金を得たことで人生が変わりました

豊島 稚弥子さん(第7期 服部奨学生/2015年4月~2021年3月)
名古屋大学 大学院生命農学研究科 博士前期課程 動物科学専攻 修了

豊島 稚弥子さん

豊島 稚弥子さんは、2014年、高校3年生の時に服部奨学金に応募しました。静岡大学に合格し、服部奨学生となり4年間服部奨学金を受給し大学を卒業しました。
静岡大学卒業後は名古屋大学大学院に進学し、再び服部奨学生に採用され研究を続けました。
2021年春の大学院修了を前に、学生生活や服部国際奨学財団への思いを語っていただきました。

他の服部奨学生の夢を聞いて興味の対象が変わってきた

Q:静岡大学卒業後、何故、名古屋大学大学院へ進学することにしたのですか?

豊島:静岡大学では農学部応用生命化学科に所属していました。学部4年生の時に鳥類の繁殖に関する研究で鳥類の体外受精に成功しました。鳥の生活リズムを研究していく中で、動物の生態や行動の変化に興味を持つようになりました。

動物の生態や行動の研究を深めたいと考えていたところ、名古屋大学の大学院で動物の睡眠リズムを研究している先生がいらっしゃることを知りました。とても面白そうだと感じ、名古屋大学大学院に進学しました。今はその先生の下で研究しています。

Q:名古屋大学大学院での研究について教えてください。

豊島:生命農学研究科の動物科学専攻に所属し、生命に関する研究をしています。ここでの研究は、成果を薬の開発に応用するなど、動物や植物だけでなく人間の生活にも結びつくものです。

研究室では月の満ち欠けによる重力の変化とそれによって引き起こされる潮の満ち引きが睡眠リズムにどのような影響を与えるかをゼブラフィッシュという魚を用いて研究しました。研究の結果、ゼブラフィッシュは潮の満ち引きではなく、月の重力変化を直接感じ取り睡眠時間が変わるのではないかということがわかりました。

生命農学研究科は動物を使って生命の仕組みを解明しようとする学科で、科学者になりたい人、企業に入って研究を続けたい人など、生命に関わる仕事に就こうと考えている人が多くいます。私自身も子供の時から動物や植物にとても興味があり将来はそのような仕事に就きたいと思っていました。

2018年度修了式での挨拶

Q:服部国際奨学財団に応募した当時のことを教えてください。

豊島:高校生の頃はキノコなどの菌類に興味があり、人間の健康を菌類を使って促進したいという志がありました。ですが当時は大学に進学するお金がなく、このままだと高校を卒業したら夢を諦めて就職するしかないと思っていました。それでも進学したいという自分の夢を叶えるにはどうすればいいかいろいろと調べている中で服部国際奨学財団を知りました。高校の先生に相談し、高校3年生の時に応募し服部奨学生に採用していただき、静岡大学に進学することができました。

第7期新奨学生証書授与式

服部奨学生として過ごすうちに、他の服部奨学生の方と出会い、彼らの夢を聞くことで視野が広がりました。その影響もあり興味の対象が徐々に変化し、動物と人間の関係について研究したいと考えるようになりました。

研究をさらに深めようと大学院進学を志し、再度、服部奨学金に応募しました。再び服部奨学生に採用されたことで、大学と大学院を合わせて6年もの間、服部奨学金の給付を受けることができました。

Q:服部国際奨学財団に応募したきっかけは何ですか?

豊島:月額10万円の給付型奨学金というのがとても魅力的でした。私が大学に進学するためにはどうしても奨学金が必要でした。大学に入っても親からの仕送りが期待できる状況にはなく、安心して大学生活を過ごすためには、アルバイトで学費と生活費を賄うのは無理だと思ったからです。

交流を通じた成長

2017年研修旅行

Q:服部国際奨学財団では様々な講演会や交流会が催されていますが、どのように関わってきましたか?

豊島:年に4回公式行事があり、それ以外にも少人数での勉強会や交流会があります。最近はコロナ禍ということもあり、これまでとは異なりオンラインでの開催が多いのですが、オンラインならではの体験を楽しんでいます。

服部国際奨学財団は金銭的な支援だけでなく、他の服部奨学生と交流する機会を設けてくれます。国籍・年齢も違う人たちと関わりを持つことで、他大学・他分野の研究等を知ることができます。

服部奨学生は皆さん夢に向かって努力している人ばかりでイベントでお話しする事でとても刺激を受けます。他の服部奨学生の話を聞くことで、今まで気づかなかったことに気づいたり、知識を増やすことができ、今まで以上に研究に取り組むことができました。私は6年間、多くの奨学生から刺激を受けて成長することができました。

私自身も先輩奨学生として、後輩の奨学生に「服部国際奨学財団は色々なイベントがあって普段なかなかできない体験ができるよ」「私が服部奨学生になった当時と比べて今は奨学生の数も増えて学ぶ機会が多いよ」と、よく話しています。

2016年研修旅行にて


また服部国際奨学財団事務局の皆さんからの励ましも自分の成長につながりました。応募した時は菌類の研究がしたいと言ってたのに、途中で方向転換したいと相談したら「キノコの豊島さんが!」と驚きながらも、親身になって相談に乗って頂き、私の気持ちを何より尊重してくれました。就職先が内定した時も心から「良かったね!」と喜んでくれたおかげで研究に集中して取り組むことができました。本当に感謝しています。

新奨学生オリエンテーションでのボランティア活動

Q:服部国際奨学財団の奨学生になって良かったことは何ですか?

豊島:多くの人と知り合い、人とのつながりの大切さを学べることです。

年1回の1泊2日の研修旅行はとても楽しいです。初めてお会いする相手と旅行へ行く機会なんてそうそうありません。高校までの修学旅行のように移動中は多くの人とお話しすることができました。先輩には大学生活や将来について教わり、後輩には経験をもとにアドバイスし、良い関係を築くことができました。

2019年研修旅行

教養を身に着けるための文化講演会や親睦会などイベントを通じて個人的に連絡を取り合う友人もできました。

交流会では日本語が堪能な留学生から、今まで知らなかった外国の文化について学ぶことができ、友人や先輩と進路や就職活動などの情報を共有したおかげで、一番良い進路を選ぶことができたと思います。

Q:今後の進路を教えてください。

豊島:希望していた会社への就職が決まりました。大学院の2年間共同研究を行っていた会社です。その会社のことをよく知った上で就職するので安心感があります。

Q:最後に服部奨学金に応募しようとする方に向けて一言お願いします。

豊島:自分の力で夢をつかむ方法は絶対にあるはずです。諦めずに模索すれば必ず何とかなります。夢はあるのにお金がなくて挫けそうな人は、是非行動してほしいと思います。私がそうでした。本当に人生が変わりました。

豊島さんは大学・大学院における研究や様々な課外活動の他に、服部奨学生としての活動にも積極的に参加しています。
今後は社会人として更なるご活躍を期待しています。

※このインタビューは2021年1月27日(水)に服部国際奨学財団事務局会議室にて行われました。
当日は参加者の検温、手指の消毒、換気等の新型コロナウィルス感染症対策を実施しました。