服部奨学生としての活動を通じ視野が広がりました

高 天翔(こう てんしょう)さん(第11期 服部奨学生/2019年4月~)
名古屋市立大学大学院 薬学研究科 博士後期課程 創薬生命科学専攻

高 天翔さん

大学の研究室で薬学を学ぶため、中国から来日した高 天翔さん。
服部国際奨学財団を知ったのは「たまたま服部国際奨学財団事務局の前を通った」ことから。
偶然の出会いから現在の充実した大学生活の様子までをお聞きしました。

中国の大学を卒業後、日本の大学へ

Q:高さんはどちらからいらっしゃいましたか?

高:私は中国から参りました。中国の中部、安徽省(あんきしょう)で生まれました。

Q:日本語がとてもお上手ですね。

:ありがとうございます。日本には高校生の頃から興味があり、高校卒業後、瀋陽(しんよう)薬科大学に入学しました。そこには薬学の専門知識を日本語で学ぶコースがあり、そこで日本語を学びました。瀋陽という街は旧満州で日本文化がまだ残っていて、日本への憧れが更に増しました。

Q:どうして日本の大学に留学したのですか? 

高:中国の大学では薬の研究をしていました。卒業後は基礎的な研究をしようと名古屋市立大学大学院 薬学研究科 博士課程の研究室に留学しました。

Q:子どもの頃から薬について興味をお持ちだったんですか?

高:はい、両親が医師だったこともあり、医療に興味がありました。
ただ、私は医師の治療・診察より薬という物質の力で人を治すことに興味があったので治療薬について学ぶために薬学に進みました。

Q:名古屋市立大学薬学部での研究内容について教えてください。

高:大学の研究室では睡眠の基礎的なことを研究しています。人間は眠ります、同じように他の脊椎動物や昆虫なども眠ります。その睡眠の原理を研究室の仲間と一緒に研究しています。遺伝子が操作しやすいモデルとして、ショウジョウバエを用いて研究をしています。

近年の研究では睡眠と認知症には何らかの関係があるのではないかと言われています。私の夢は研究を通じて睡眠の真の目的を探索することです。

服部国際奨学財団との出会い

Q:服部国際奨学財団はどのように知りましたか?

高:入学後、学費を振り込もうと大学最寄りの銀行へ向かう途中、服部国際奨学財団の事務所を偶然見かけました。気になって調べてみたら素晴らしい奨学金で、絶対に応募しようと思いました。「すごい出会いだ」と感じました。

Q:服部奨学金の面接選考の時にはどのようなことを伝えましたか?

高:「日本で薬の研究をしたい、その後に日本の製薬会社に就職し、医療に貢献したい。そのためにどうしても服部奨学金で支援してほしい」と伝えました。選考委員5人の前で話すのは初めは緊張しましたが、皆さん優しかったので、途中からはとても安心して話をすることができました。

服部国際奨学財団事務局にて

異なる分野の奨学生から受ける大きな刺激

Q:服部奨学生となって学生生活は変わりましたか?

高:月額10万円の服部奨学金のおかげで研究に専念することができています。お金の給付以外にも、服部奨学生同士の交流の機会が多いのがとても良いと思います。服部奨学生に選ばれたことをとても誇りに思っています。

Q:服部国際奨学財団の行事で印象的だったことは何ですか。

高:特に印象的だった行事は研修旅行です。残念ながら2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止になったのですが、2019年の奈良・大阪研修旅行では道頓堀川を遊覧船で落語家さんが案内してくれたのがとても楽しかったです。

道頓堀遊覧船

他にもとても多くのイベントがあり、私もイベントではボランティアとして活動しています。例えば服部奨学生研究発表会では発表者サポートをしました。

研究発表会とは年1,2回ほど開催される奨学生同士が自分の研究内容について発表しあうイベントです。普段は知ることのできない他分野の研究内容について分かりやすく説明してもらえるので、非常に興味深いです。ただ発表者の中には緊張してしまう人も多くいます。私自身もプレゼンをする時は緊張するので、発表者のプレゼンがスムーズに進むようにサポートしたいと考えました。

また、昨年は名古屋市鶴舞中央図書館で清掃ボランティアを皆で行ったのが楽しかったです。

Q:服部奨学生の仲間との交流について教えてください。

高:今はコロナ禍で他大学の仲間とはあまり交流できていませんが、同じキャンパスの仲間とは頻繁に交流しています。服部奨学生には私と全く異なる分野の勉強をしている学生が多くいるのですが、彼らとの交流は大きな刺激になります。

服部国際奨学財団はSlackというコミュニケーションツールを使って学生やOBOGと連絡を取り合っています。そこでOBOGからも様々なアドバイスを頂けるので、積極的に活用しています。
自分の研究分野だけでは交友関係が限られてしまい、知識や会話の内容も世間とどんどんずれていってしまう気がします。私は研究者として、一般の人でも理解できるように研究の話をしたいと心がけています。服部国際奨学財団の交流はそれを気づかせてくれるきっかけになりました。

slackでの交流

Q:最後にこれから応募する学生へメッセージをお願いします。

高:私は服部奨学生に採用してもらい、以前は考えられなかった良い体験をしています。応募する方はぜひ自信を持って自分をアピールしてください。面接は緊張すると思いますが、まずは笑顔が大事です。
服部国際奨学財団は奨学金で支援してもらうだけではなく、いろんな分野の人と交流できる場です。違う分野の人だからこそ良い刺激がもらえます。私は服部奨学生としての活動を通じ本当に視野が広がりました。これからもより一層広げていきたいと思っています。

山崎川にて

高さんはとても明るく学生との交流にも積極的で、研究で忙しい中も事務局をよく訪れてくれました。
今回のインタビューでは服部国際奨学財団の活動についてお話を伺いました。卒業まで残り僅かとなりましたが、財団は今後も高さんの学生生活を支援していきます。

※この記事は2021年1月27日(水)に服部国際奨学財団事務局会議室にて行われたインタビューをもとに制作しました。
 当日は参加者の検温、手指の消毒、換気等の新型コロナウィルス感染症対策を実施したうえでインタビューが行われています。